退職代行を使う前にやるべきこと7選|有給・証拠・連絡先の整理を依頼前に済ませる【2026年版】
「退職代行に頼もう」と決めたのに、何から手をつければいいか分からず止まっていませんか?
依頼そのものは、スマホから10分もあれば終わります。
ただ、依頼ボタンを押す前の30分で、受け取れるお金と、辞めたあとの静けさは変わります。
この記事では、退職代行を使って辞める前にやるべきことを7つに絞り、有給の残日数の確認から連絡経路の整理、依頼先の選び方まで、2026年現在の実務にそって順番に並べました。
準備といっても、書類を集めて回る話ではありません。ほとんどが給与明細とスマホだけで終わります。
📌 何から準備すればいいか分からない方へ
退職代行を使う前に、準備は必要?
退職代行とは、本人に代わって会社へ退職の意思を伝えるサービスです。
準備がまったくなくても依頼は受け付けてもらえますし、その日のうちに会社へ連絡が入ります。
ただし準備の有無で、手元に残るお金と、退職後の手続きの速さは変わります。
準備なしでも今日から依頼できる
結論から言えば、準備ゼロでも依頼はできます。
多くの退職代行はLINEや電話で24時間受け付けており、必要なのは氏名・会社名・連絡先といった基本情報だけです。
体調が限界に近いなら、先に依頼して、準備は依頼後に進めても間に合います。
実際、依頼した当日から出社も会社への連絡も不要になるケースがほとんどです(2026年現在)。
「準備が終わってから」と考えているうちに、また一週間出社してしまうほうが、失うものは大きくなります。
それでも30分の準備で結果が変わる理由
一方で、依頼前に見ておかないと取り返しにくい情報があります。
有給の残日数や勤怠記録は、退職の話が会社に伝わったあとだと、自分では確認しに行けなくなるからです。
社内システムのアカウントは、退職手続きが始まると停止されることがあります。
だからこそ、確認とコピーだけは依頼ボタンを押す前に済ませておくのが安全です。
💡 準備とは「モノを集める」ことではなく「情報を手元に写す」ことです。
給与明細とスマホのカメラがあれば、7つのうち5つはその場で終わります。
辞める前にやるべきことは?お金と証拠を守る4つ

有給休暇とは、働いた期間に応じて法律上当然に与えられる休みです。
退職日までに消化できれば、その分の給与はそのまま受け取れます。
まずは、お金に直結する4つから片づけます。
① 有給休暇の残日数と締め日を確認する
最初にやるのは、有給が何日残っているかの確認です。
多くの会社では、給与明細の下部か、勤怠システムのマイページに残日数が表示されています。
あわせて給与の締め日と支払日も控えてください。
締め日をまたぐかどうかで最後の給与が振り込まれる月が変わり、辞めたあとの生活費の計算がずれるためです。
② 未払い残業代の証拠を手元にコピーする
残業代が支払われていない心当たりがあるなら、勤怠の記録を自分のスマホに控えておきます。
タイムカードの写真、シフト表、業務日報、始業と終業を報告したチャットの履歴が証拠になります。
未払い賃金の請求まで踏み込めるのは弁護士だけです。
証拠が手元にあるかどうかで請求に進めるかが決まるため、この作業だけは依頼前に済ませてください。
③ 退職後3か月分の生活費を計算する
自己都合による退職では、失業保険(基本手当)は申請から受給開始までに数か月かかるのが一般的です。
そのため、退職後3か月分の生活費を先に計算しておくと、焦って次の職場を決めずに済みます。
なお、退職代行を使ったことで失業保険が減ったり、受け取れなくなったりすることはありません。
ハローワークが見るのは離職票に書かれた退職の理由であって、誰が退職を伝えたかではないからです。
④ 依頼先のタイプを自分の状況で決める
退職代行は運営元によって、できることの範囲が三つに分かれます。
費用相場は2〜5万円程度です(2026年現在)。
- 民間企業の運営:退職の意思を会社に伝えるところまで。会社と揉めていない場合に向く
- 労働組合の運営:団体交渉権があり、有給の消化や退職日の調整まで話し合える
- 弁護士・弁護士法人:交渉に加えて、未払い賃金の請求や損害賠償の主張への対応まで可能
有給を全部使い切りたいなら労働組合の運営以上、未払い残業代を取りに行くなら弁護士、という選び方になります。
②で証拠が出てきた人は、ここで弁護士が対応する退職代行を選んでください。
📌 未払い残業代や有給の交渉まで任せたい方へ
連絡と持ち物はどう整理する?残り3つの準備

連絡経路の整理とは、会社があなたに接触できる手段を先に把握しておくことです。
依頼後は代行業者が窓口になりますが、それでも直接かけてくる会社はあります。
驚かずに済むよう、洗い出しだけ先にやっておきます。
⑤ 会社が連絡してくる経路を洗い出す
会社が持っているあなたの連絡先を、書き出してみてください。
携帯番号、私用のメールアドレス、住所、そして緊急連絡先として登録した家族の電話番号です。
特に見落としやすいのが家族の連絡先です。
入社時に緊急連絡先を書いていると、本人が出ないときに実家へ電話がいくことがあるため、先に一言伝えておくと安心です。
会社からの電話に出る義務はありません。
出ないこと自体が違法になることはなく、対応は依頼した代行業者に任せて構いません。
⑥ 私物とデータを最後の出社日までに持ち帰る
ロッカーやデスクに私物が残っていると、退職後に郵送でやり取りする手間が増えます。
次に出社する日が決まっているなら、その日までに少しずつ持ち帰っておくのが一番早い方法です。
持ち帰るのは、あくまで自分のものだけです。
私物かどうか判断がつかないものは無理に持ち出さず、会社に残したうえで、代行業者から郵送を依頼してもらってください。
⑦ 退職理由は「伝えない」と決めておく
退職の理由を会社に説明する義務はありません。
期間の定めのない雇用契約は、退職を申し入れた日から2週間で終了します(民法627条)。理由の当否は、そこに入っていません。
代行業者に伝える理由も「一身上の都合」で足ります。
あらかじめそう決めておくと、引き止めの連絡が来ても話を長引かせずに済みます。
💡 退職代行が行うのは退職の意思を会社に伝えることであって、会社を辞めさせる強制力があるわけではありません。
ただし退職は働く人の権利なので、意思が伝わった時点で手続きは進みます。
準備でやってはいけないことは?

やってはいけない準備とは、あとから自分の立場を悪くする行為のことです。
準備は自衛のためにするものなので、線を越えると逆効果になります。
ここでは、特に多い3つを挙げます。
会社のデータを持ち出さない
顧客名簿や社内資料を持ち出すのは避けてください。
自分の勤怠記録を控えるのは自衛ですが、会社の営業情報を持ち出すのは、就業規則違反や不正競争防止法の問題になり得ます。
損害賠償を求められるリスクは、適切に辞める限り極めて低いのが実情です。
そのリスクを、わざわざ自分から作らないことが、いちばん確実な準備になります。
同僚への相談は退職日まで待つ
信頼している同僚にだけ話す、というのもおすすめしません。
悪意がなくても話は伝わり、依頼前に会社が知ることで、引き止めの面談を先に組まれてしまうことがあります。
※どうしても相談したいときは、社外の友人か、退職代行の無料相談を使ってください。
相談だけなら費用はかからず、依頼するかどうかは話を聞いたあとで決められます。
準備が終わるまで依頼を先延ばしにしない
7つすべてがそろわないと依頼できない、ということはありません。
体調や気持ちが限界に近い場合は、①と②だけ済ませて、先に依頼してください。
残りは依頼したあとでも間に合います。
準備の完璧さより、出社しなくてよい状態を早く作るほうが、結果として守れるものは多くなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 準備を何もしていませんが、今日中に依頼できますか?
A. できます。氏名・会社名・連絡先が分かれば受け付けてもらえ、その日のうちに会社へ連絡が入るのが一般的です(2026年現在)。有給の確認などは、依頼したあとに進めても間に合います。
Q. 有給の残日数が分からないときはどうすればいいですか?
A. 給与明細の下部か、勤怠システムのマイページで確認できます。それでも分からない場合は、労働組合の運営か弁護士対応の退職代行に依頼すれば、会社への確認と日数の交渉まで任せられます。
Q. 退職代行を使うと失業保険がもらえなくなりませんか?
A. なりません。ハローワークが見るのは離職票に記載された退職理由であって、退職の意思を誰が伝えたかは審査に関係しないためです。給付の日数や金額にも影響しません。
Q. 会社から損害賠償を請求されないか心配です。
A. 適切な手続きで辞める限り、請求される可能性は極めて低いです。退職は法律で認められた権利であり、会社のデータを持ち出すといった行為がなければ、賠償を求める根拠自体が生じません。
Q. 退職代行を使ったことは、次の転職先に知られますか?
A. 知られません。離職票にも源泉徴収票にも、退職の意思を誰が伝えたかを書く欄がないためです。在籍確認が入った場合も、答えられるのは在籍期間や職種といった事実に限られます。
📌 辞めたあとの働き方まで一緒に考えたい方へ
まとめ
退職代行を使う前にやるべきことは、「お金を守る準備」と「連絡を整理する準備」の2つに分かれます。
有給の残日数と締め日を確認し、未払い残業代の証拠を手元に写し、退職後3か月分の生活費を計算し、依頼先のタイプを決める。ここまでがお金の話です。
そのうえで、会社からの連絡経路を洗い出し、私物を持ち帰り、退職理由は「一身上の都合」と決めておきます。
会社のデータを持ち出さないこと、同僚に話さないこと、準備を理由に先延ばしにしないことが、失敗しないための線引きです。
今日やるのは、給与明細を開いて有給の残日数を見るところまでで十分です。
